Sonny Boy 2週+αで感想が大きく変わった話

初見時感想の続きのようなものですが、初見時感想の記事は

振り返りの部分が半分以上を占めているので特に見なくても良いと思います。

 

代わりにまず初見時の感想を簡単に書いて行こうかと思います。

 

まず私にとってこの作品の結末は受け容れ難いものでした

理由としては敢えて希と朝風を繋げたであろう事

そして一番は11話での約束を果たさずに物語が終わってしまった事です。

 

バッドエンドだとは思いません

長良にとっては自らが選択し進んだ世界であり記憶が無くとも

希は生きていた、それで十分だったのでしょう、だから笑顔で前を向けた

 

長良の気持ちは理解しているつもりでもやはり切ないです

戻った世界でももう一度友達になりたい、これは希の願いでもあります

私には約束を果たさずに終わった事によって漂流した世界での絆も、繋がりも

失われてしまったように見えました

長良は本当にこれで良いのだろうか、なんでそんなに簡単に受け容れられるのか

私にはわかりませんでした。

 

ですがそれでも私はこの作品が好きでした

だからこそ悲しい印象でこの作品を終わらせたくない

なのでもう一度、今度は少し見方を変えて見てみようと思いました。

 

2週目は初見時に疑問に感じた部分や能力等の設定で理解出来ていなかった所は

ネットの考察を漁ったり、夏目監督のインタビューを読むなりしてある程度の

疑問を解決した上で見始めたので物語に集中出来ました

これもこの作品の良い所ですよね、ある程度理解を深めてから見直すと

新たな発見がある、そしてその発見も人によって受け取り方が全然違かったり

するのも面白いですよね

中には、あ、これ意味深だった割に全然関係無いんだって事もありましたが(笑)

 

そんな事もあり2週目でもダレる事なく楽しめてはいたのですが

やはり終盤向かうに連れて寂しい気持ちになっていきます

 

それはやはりこの先希が居なくなってしまうとわかっていたからだと思います

結末を知っていると感じ方が全く違いますね

きっと希は戻って来ると思っていた初見時と比べると11話の葬式も約束のシーンも

本当に切ないと言うかやるせない気持ちになりました

 

もう薄々気付いていました

このまま結末を迎えても感じ方が大きく変わる事は無く

きっと悲しさや寂しさが勝るのだろうと

 

結局そんな私の予想の通り

2週目を見終えても私にはこの結末が心からハッピーエンドだと

思えるようにはなりませんでした

 

それでも少しの変化はありました

以前よりも長良の心が少しだけ理解出来たと言うか

漂流世界での希との絆、交わした約束、戻った世界で起きている事

上手く言えないのですが決して蔑ろにしている訳でも無く諦めでも無い

全てを受け容れた上で前を向いた

ただそれでも約束を果たさなかった事、希との繋がりが失われてしまう事

それらをどうして受け容れられるのかがどうしても理解できませんでした。

 

ここまででしょう

恐らく今の自分では何度見返しても変わらない、そう感じました

それでもやはりこの作品が好きな事は変わりません

良くも悪くもここまで感情を揺さぶるような作品って中々出会えないですからね

 

そんな中、ふと作中の挿入歌の事を思い出しました

11話の冒頭、葬式で流れていた曲「Light ship」です

 

初見時も良い曲だなとは思っていたのですが

2週目は物語に集中できた事もあってか、より印象に残っていました

なんとなく余韻に浸りたいと言う思いもあり聴いてみる事にしました

 

 

ハッとしました、涙が出てきました

あぁ、こういう事だったのか、これが本当の長良の想いなんだ、と

 

ネタでもなんでもなく「言葉」ではなく「心」で理解出来た!ってヤツです

 

これまでの引っ掛かりが全て解けた感覚でした

長良は私が思うよりも遥かに深く、希の事を大切に想っていたのです

もはや表面的な繋がりなんて重要じゃない

長良にとって希はそれほどの存在だったのです

 

約束の件もそうです

最終話の霊園にて瑞穂が長良に

「ま、大丈夫だよ、あの島でのあんたがまだ少しでも残ってるなら、大丈夫だ」

そう声をかけました

本当にその通りなのだと気付かされました

何も最終話のラストが希と長良の最後じゃありません

 

今の長良ならこれから先、きっとどこかで約束を果たすだろう

 

そう思えるようになりました。

 

Lightship / ザ・なつやすみバンド

本当に素晴らしい曲です

この曲について夏目監督は寂しいだけじゃなく、出発、覚悟の曲

そう評していました、まさにその通りだと感じました

個人的にはあの場面でこれ以上の挿入歌は無いとも思える程です

 

サントラも買いました

「Lightship」だけではなく他の挿入歌やBGMも素晴らしいんですよね

参加されたバンドの方の他の曲も聴いてみようと思います。

 

これでようやくSonny Boyと言う作品の答えを私なりに見つけられた気がします

180度感想が変わったと言っても過言でないかもしれません

 

かなり賛否両論ある作品だとは思います

ですが私はこの作品に出会えて良かったと心から思えます

時間が経っても見返したいと思える、そんな作品です。

 

もしこの記事を読んでいただける方が居たならSonny Boyの感想を

聞かせて頂けたらとても嬉しいです。

 

読んでいただきありがとうございます。